2021.04.21

【カレントは見た!!】ウールでプリーツ加工ができないか?そんな悩みを解決してくれる「生地整理屋」みづほ興業に潜入取材!

生地のアンカー 生地の染色整理工場 みづほ興業株式会社に潜入!



ウール100%の生地にプリーツ加工することができないか?

 


ウールは天然素材で弾力があり、シワになりにくいのが特徴なのですが、どうしてもプリーツ加工をしてもヒダが取れてしまう。。。尾州の高品質でこだわりの詰まったウール生地で、プリーツスカートを作ったら良いものできるだろうな~と考えつつ、どうやったらいいものか。ずーっと悩みながら、誰に相談していいかも分からず。。。


カレントメンバーに長年の悩みを打ち明けたところ、みづほ興業の水谷さんが、『うち生地の整理屋だから、生地に後加工すればプリーツ掛けれるかも』とのこと。早く相談するべきだった!という事で早速お願いしに行っちゃいました!

 

 

 

 

みづほ興業は1951年に染色整理工場として創業されました。今年でちょうど70周年だそうです。
この「みづほ」という屋号の由来ですが、創業家水谷の「みづ」と創業者のお母さまのいなほさんの「ほ」を取って、「みづほ」となったとか。水谷いなほさんは水谷家の一番の権力者だったそうです。

 

 

 

 

ここで『生地の整理屋』のお仕事について、簡単に説明しますね。


織られたり、編まれたりしただけの生地は『生機』と呼ばれ、すっぴんの状態。ここから、洗ったり、染めたり、風合い柔らかくしたり…お化粧をしてくれるのが『生地の整理屋』さんなのです。どんな生地も必ず整理工程をして出荷されるので、生地のアンカーとも呼ばれたり、、、整理屋さんがいなかったら、生地は完成しないので、あまり知られてないけど、とても大事なお仕事で、不可欠な業種なんです!

 

 

 

 

そんな生地の整理屋みづほ興業さんにお邪魔して、改めてご相談。どうやら、髪の毛にパーマをかける要領で、生地に薬品を染み込ませればできるだろうとの事。『昔、似たような依頼あったな~、有松絞だったかね~』なんて、こちらの無理難題にも気さくに応えてくれる。ベテランの方でもまだまだチャレンジしようという気持ちが心強い!!

 

 

 

 

サンプルを加工してくれることになり、特別な許可を得て、加工現場にお邪魔させてもらいました。

一歩踏み入れると、とにかく色々デカい!!
まずはでっかい倉庫から。
生機は入荷すると、まずでっかい台車に乗っけられて、ミシンでつなぎ合わされます。本来生地は1反づつ織られますが、整理の段階では効率を上げるため、それぞれをつなぎ合わせてながーい生地するそうです。これで準備完了。

 

 

 

 

続いて、これまたゴツイ機械のところでの加工作業。
主に染色・洗い・乾燥の加工を行っていますが、今回は薬剤を浸透させる加工なので、『マングル』と呼ばれる機械に生地を持っていきます。ちなみに、生地の移動は人力。笑。でっかい台車で、皆さん唸りながら運んでいきます。笑

 

 

 

 

薬剤を入れた桶に生地を浸けて、浸透度合いをチェック。ウールは水をはじく性質があるので、浸透していなければすぐ分かるそうです。素人目では全然分かりませんが。。。笑

次に乾燥作業。でっかい機械の中に生地を通して乾燥させるそうです。濡れた生地が入っていったなーと思ったら、ものの数分で乾燥して出てきます。できたてホヤホヤ。

今回はこの乾燥作業で、加工完了。

 

 

 

 

またでっかい台車で運ばれ出荷場へ。ありがとうございました!!
これが今回みづほさんで加工した生地で作ったプリーツです!!

 

 

 

 

綺麗にプリーツが掛かりました!!・・・が、所々生地が縮んでる。。。まだまだ改善が必要ですが、大きな第1歩です!

ちなみに、生地はなんと葛利毛織さん提供のものなんです。このような取り組みに賛同して頂いた葛谷専務、大井さんありがとうございました!!

 

 

 

 

こういったアイデアを具現化できるのが、尾州のカレントの強みです。
機屋と整理屋と縫製屋のコラボレーションで生まれたこのスカートは、尾州のカレント展でお披露目予定です!!

 

 

 

 

『織物の美しさに真心こめて』
みづほ興業さんはそんな思いをこめて、日々生地に向き合っている、とてもあたたかみのある会社さんでした。

生地の整理や加工でお悩みごとある方は、ぜひみづほ興業さんに問い合わせてみてください!


http://www.mizuhokogyo.co.jp/

 

 

取材 尾州のカレント 吉村